アーム社のビジネスモデルから我々のビジネスを考えてみよう
ここ数日、多くの記事で、
ソフトバンクの「ARM社(アーム)」の買収が
取りざたされています。
孫社長は
「アームの買収は私の人生の中で最もエキサイティングな出来事だ」
とまでおっしゃっています。
この買収から、我々が特に学ぶべきことが2点あると思います。
それは、
【1】アーム社のビジネスモデル
【2】IoT(インターネット・オブ・シングズ)市場の展望
です。
今回は、
【1】アーム社のビジネスモデル
を取り上げます。
▼設計に特化したライセンスビジネス
メーカーに半導体の「設計図」を渡して、
「ライセンス料」をもらうというものです。
1枚売れるごとに、数円から数十円の料金が徴収されます。
アームが設計するチップ(プロセッサ)は、
既にスマホなどのモバイルの85%に入っています。
なので、これらモバイルが売れれば売れるほど、
比例して儲かるというわけです。
▼ライセンスビジネスは継続的なコストがない
しかも、ライセンスに伴うコストは、
継続的なもの(原料、営業経費等)はありません。
ここが製造との大きな違いです。利益率に差が出ます。
アームはあるところで、こう悟ったそうです。
「半導体がすべてに組み込まれるなら作る必要はない。
設計することが鍵になる」と。
▼無限に広がっていくIoTデバイス。ライセンス料は一体いくらに?
ソフトバンクは、このチップが必要となるIoT機器類は、
2040年には、10兆台(1人当たり1,000台超)
になると予想しています。
もう既に、コーヒーメーカーや浄水器、鍵、スピーカー、
空気清浄機、信号機などなど、
身近にある様々のものが、センサーを搭載したIoT機器
になっています。
赤ちゃんの突然死症候群を防ぐために、身に着けさせる
デバイスといったものも続々とでています。
そう考えると、アームのライセンス料は、
これから一体いくらになっていくのでしょうか。
▼ビジネスモデルは、どこかで見直す必要がある
こういったことを考えてみると、
やはり、私は、事業を展開していくにあたって、
どこかでこの「ビジネスモデル」をしっかりと見きわめ直すことが
必要ではないかと考えております。
- そのためにも、
そもそもビジネスモデルとは「何」?
戦略と何が「違う」の?
どんな「パターン」があるの?
どんな「事例」があるの?
そんな疑問に答えていくことも重要だと思います。
ファジーな思考は、行動をもファジーにしかねません。
なので、私自身も、みなさまのそういった疑問にも
お答えできるよう研修プログラムをご用意いたしております。
また、単なるご質問でも、もちろん構いません。
何かしらご関心があれば、ぜひともお気軽にお声かけ下さい。
ディスカッションが出来たら幸いです。
次回(後編)は、
【2】IoT(インターネット・オブ・シングズ)市場の展望
をお届けします。
アーム社のチップの特長は、「小型化・省電力化」です。
これらが、どういった課題を解決して、ビジネスチャンスになっていくのか
を考えてみたいと思います。