プロセスバンク by 得田裕介

経営コンサルタント problem solving and decision making

【得だねNews】人工知能の弱点は世の中のニーズ?!

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【今回のテーマ】
人工知能」です。

・いったい何を解決してくれるの?
・その良さは?
・その弱点は?

そういった疑問から、
我々が何をすべきなのかを
落とし込んでいこうと思います。


▼目次
【1】人工知能は何に活用されているのだろう?
【2】共通点は、人の「感覚」を分析し、適したものを選んでくれること
【3】我々人間は、自分たちの「いい加減な感覚」を大切にすべきである!
【4】人工知能の弱点、「認識力」は、世の中のニーズである

時間のない方は、
【1】は見出しだけで、
あとは読み飛ばしてください。


▼本文

【1】人工知能は何に活用されているのだろう?

以下に、3つの事例を挙げてみました。

 

事例1)
30種類の日本酒の中から、味覚にあった1本を選んでくれる(AIソムリエ)

3種類の日本酒を試飲し、
店頭のタブレット
「甘み」「酸味」「うま味」「余韻」「コク」を
5段階で評価すると、
人工知能がユーザーの味覚を分析。
その時のユーザーの気分や食べ合わせも考慮し、
事前に用意した30種類の日本酒の中から、
味覚に合った1本を選んでくれる。
ワインバージョンもある。
※カラフル・ボードの開発

 

事例2)
働く人の幸福感を高める行動を教えてくれる

例えば、
「上司のBさんに会うには午前中がお勧めです」
といったアドバイスをしてくれる。
個人のハピネス度ではなく、
本人とその人が関わる周りの人の「平均ハピネス度」を計測し、
平均ハピネス度向上に有効な各個人の行動
についてのアドバイスする仕組み。
コールセンターでの実証実験では、
従業員の平均ハピネス度が高めの日は
低めの日より
1日当たりの受注率が34%高いことが
明らかになっているという。
日立製作所の開発

 

事例3)
入社試験での書類選考をしてくれる

過去に採用した社員の履歴書等をAIが学習し、
企業が求める人材の傾向を分析、
合致する志望者を選び出す仕組み。
人事担当者の好みといったあいまいな採用基準を排除し、
公正に評価する狙いがあるという。
NECの開発
その他、人事異動や人事評価について
助言するシステムも開発され始めている。


【2】共通点は、人の「感覚」を分析し、適したものを選んでくれること

これらに共通することは、
人がまさに「感覚」で行っていることに対し
「客観的な判断」をしてくれることだと思います。

 

1)感覚を説明してくれる

例えば、幸福感。
周囲の人のことは、
何気なく接する人間よりも、
センサーの方が正確に読み取ってくれるかもしれません。
行動のデータは膨大になるので、
コンピュータでなければち密な分析はできません。

 

2)膨大な情報を収束させてくれる

我々が意思決定する時の選択肢は、
日々増えています。
お酒の種類、服の種類、本の数。
それを伝える媒体も限りなく増えています。
それらの中から瞬時に選び出してくれるのは
我々を本当に楽にさせてくれます。


【3】我々人間は、自分たちのいい加減な感覚を大切にすべきである!

では、
人工知能はいいこと尽くめなのでしょうか。

 

私が思う一番の問題は、
人間が、「人工知能の感覚」に従うようになることです。
人工知能だから「正しい」と。

人工知能は、
人の曖昧な感覚を、
「画一化(傾向分析)」することで、
結論を出してくれます。
しかし、実はこの「曖昧さ」こそが、
人間の妙であり、
人生の面白さだとも思うのです。

 

例えば、
嗜好の全く違う友人から勧められた日本酒。
その時は気分よく、よしそれいこう!
と「判断」した。
でも、やっぱり不味かった。
それ以降も、飲んだことはない。
でも、なんだか思い出に残っている。
不味いことも楽しかった、
あいつとのひと時。
このことは未だに語り草。

 

判断は、
その瞬間がよければいいわけではありません。
結果の評価は、
ずっと後に、
自分で決めるだけのことです。
最終的な評価をする時には、
自分の考え方も環境も変わっています。

偶然のたまものは、
自分の曖昧な感覚がうみだす
たまものともいえるわけです。

 

だから私は思うのです。
人は、自分たちの「感覚」を大切にすること。
誰かの感覚に頼るのではなく、
自分の感覚を「信じる」こと。

時には、会社のみんなを消沈させるくらいの失敗だって仕方ないさ!
「逆に」、組織に緊張感をだせていいかもしれないじゃない。

時には、おかしな新入社員だって採用してしまえ!
「だって」、アフター5で活躍してくれるかもしれないじゃない。

 

人工知能の思考回路は、
「だから」という流れなのでしょう。
しかし、人間のいい加減な感覚で、
「逆に」とか「だって」とか「でも」とか。
そんな流れを作ることも、
新しい何かを生みだす近道かもしれません。

こんなことを言っていると、
「いい加減な」人工知能がつくられてしまうかもしれません(笑)


【4】人工知能の弱点、「認識力」は、世の中のニーズである

最後に、
ビジネスの発想に落とし込んで
終わりにしたいと思います。

 

人工知能に、
犬と猫の見分け方を教えなさい。
と言われたら、できますか?

実は、「認識力」は
人工知能の弱点」なのです。
例えば、後ろ向きの犬を、
犬か猫か見分けるのは非常に難しい。

だとすれば、
この作業は、「人間の仕事」
だということです。

例えば、
強気の言葉とは裏腹の悩みを抱えた
部下のマネジメント。
問題を上手く表現できない
お客様への営業。
過去にない要因でおこった
トラブルの原因究明。
などなど。

 

人工知能ができないこと。
それはつまり、
世の中のニーズ(必要とされること)
なのではないでしょうか。

 

「いい加減な世界」だからこそ、

自信をもって、

やっていこうではありませんか!