プロセスバンク by 得田裕介

経営コンサルタント problem solving and decision making

「Always In Beta」ビジネスモデルは常に進化させるべきか?!

【今回のテーマ】

「Always In Beta」ビジネスモデルは常に進化させるべきか?!

 

先日、友人が粋な計らいで「歌謡曲BAR」というところに連れて行ってくれまし
た。

 

▼御客同士の一体感を生み出すビジネスモデル

ここでは、「70年代~80年代」の言わずと知れた名曲が映像付きで流れます。
例えば、松田聖子赤いスイートピーが、黒柳徹子のベストテンで流れる映像な
ど。
数ある「レコード」の中から、お客は自分で選んでリクエストが出来ます。

このBARの一番の特長は、このリクエスト曲に他のお客が「共感」した時のフ
ィーバーです。
自然と中央に集まり始め、みんなで「歌って踊り」ます。
そして、妙な「連帯感」が生まれます。
しかも、カラオケと違って「口パク」なので「しらける」ことがありません!
たとえ下手くそに熱唱したとしても、「熱演」してれば大丈夫。
マイクはありますが、100均のプラスティック。
ギターはありますが、ほうきに絵が貼ってあるもの。

ほとんど「原価」がない!
こんなところにも損をしないで人を幸せにするビジネスモデルがありました!

さぁここで、今回はこの歌謡曲BARのビジネスモデルに関する「クイズ」です。

 

《問題》
謡曲のラインナップは「70年代~80年代」です。
しかし、最近は「90年代」にまでその幅を広げてきました。
ドリームズカムトゥルーやB'zまでが熱唱され始めました。
当然その理由は、客層が「40代や30代」にまで広がってきたからなのですが…。

 

そこで、問題です。
なぜ、「60代や50代」をターゲットとしていたはずなのに、このように客層が若
者に広がり始めたのでしょうか?

 

 

 


《答え》
「60代や50代」の方々は、同僚と飲んだ後には、その勢いのまま「若手」を連れ
出して「楽しめる」場所に流れる傾向があるからです。

やっぱり、自分も楽しみたい!
しかも、若手からも「楽しい!」と言ってもらえる。
「一緒に」遊べる。

それが、このモデルの「提供価値」です。

 

▼ビジネスモデルも進化していく。変化も受け入れるべき?!

ただ、今回、本当に伝えたいことは、『最初に考えたモデルは必ず変わってい
く』ということです。

私自身も起業するときには、本にならって300のアイデアをだして、しっかりと
練りました。
しかし、様々な方々と話を進めるにしたがって、あらゆるものが変わっていきま
した。
いや、むしろそうすべきで、これが純粋な「新規開発プロセス」です。
最近の手法の名前を借りると「リーン・スタートアップ」であったりもします。

なので、皆さまにお勧めしたいのは、初めのアイデアは「仮決め」で「起点」を
つくるものだと「割り切る」ことです。

 

▼完成なき進化。「Always In Beta」

私が大好きな言葉に、「Always In Beta」があります。
靴のメーカー、ニューバランスのポリシーです。
完成はありません。それが前提。
だったら、仮説、検証、改善のサイクルを早く回すことこそが重要だと思います。

もう一つ類似の事例を挙げます。
ネスレジャパンの「ネスカフェ・アンバサダー事業」です。

今や当たり前の「家庭用のカプセル式本格エスプレッソマシン」。
これを彼らは、「オフィス」に展開し始めました。
狙いは販売店経由から「直販」に転換し、ほとんどなかった「ビジネス領域」を
開拓することでした。

しかし、いざプロモーションを始めると、売れ先はターゲットのオフィスよりも、
それ以外の「病院や学校、薬局、美容室など」が超えてしまいました。さらにト
ラックの運転席にまで。

頑なに「変えない」という戦略もあるかもしれません。
しかし、新たな流れにのって「変えていく」というのも非常に楽しいものです。

 

▼溢れる情報を実務に落とし込む

今の時代、手に取れる「情報」は限りなく増えてきました。
しかし、あまりの「多さ」に、我々はそれを何に「活用」すればいいかが分から
なくなる傾向にあります。

例えば、「最近、妙に若者のお客が増えてきたな」とか「病院からの引き合いが
いくつかあるんだけど」とか。
問題は、この情報を数ある中から「ピックアップ」して、じゃあ何か「次の一
手」を打ってみるかと考えられるかです。
ただ、非常に難しいです。

とはいえ、そういった「情報(異常値)」は、ネットや雑誌の記事、新聞、イベ
ントなどからでも十分吸い取れます。
だからこそ、私は、この「情報(異常値)」を皆さまの「実務に落とし込む」お
手伝いをしていきたいなと鋭意努力をしております。

「これ気になるんだけど調べてくれない?」、「次の一手の相談に乗ってくれな
い?」などありましたら、ぜひともお声かけ下さい。

 

『継続的』にこういった情報をお渡しする「サービス」もありますので、ぜひと
もお声かけください。
マグロが泳ぎ続けて「酸素」を吸い続けているように、我々も「情報」を吸い続
けていなければなりません。