プロセスバンク by 得田裕介

経営コンサルタント problem solving and decision making

新たなビジネスモデルを模索する嗅覚とは?

今日は私の主領域の一つである「IT」におけるテクノロジーに関するこちらの記事。

 

テレマティクス保険
IT駆使、安全運転へ普及なるか 走行データ基に料金算定

http://mainichi.jp/articles/20160126/ddm/008/020/029000c#cxrecs_s

 

本件のように、新たなIT技術が応用されることによって、その技術の適用範囲が拡大していく事例。

そのことは、新たなビジネスモデルを模索する企業、特に営業マンにとっては、いかにして自社の収益モデルに取り込めるかを考え抜いくべきオポチュニティだと思います。

仮にその営業マンが、B to Bのソリューション企業だったとしましょう。(私のクライアントにはとても多いのですが。。)新たなビジネスモデルには必ず新たな問題が潜みます。ビジネスが急速に拡大していけばいく程、それら問題は大きくなり、解決する必要性が事業主体者に迫ってきます。そこをサポートすることこそが、ソリューション企業にとっての使命となります。当然、ビジネスモデルがそこまで拡大したならば、生み出される収益源も取り組むに値するものになっているはずです。

 

その市場規模は、『2019年の日本、米国、西欧主要5カ国、中国における乗用車向けテレマティクス端末は5,080万9,000台、新車の約8割の搭載を予測』とあります。

乗用車向けテレマティクスサービス市場に関する調査 2015 | リサーチ・リサーチ|リサリサ

 

と、そこで、そもそもこの事業はどういったものでしょうか。

 

「テレマティクス」という言葉自体もなじみがないと思いますが、それは、

『自動車などの移動体に通信システムを組み合わせて、リアルタイム情報サービスを提供すること。Telecommunication(通信)とInformatics(情報科学)を組み合わせた造語』

のようです。

どういった活用の仕方かというと…

『「自動車のIT化」とも評されるもので、具体的には、インターネットに接続できるコンピュータを自動車内に接続して、リアルタイムの交通情報やナビゲーション、盗難時の自動通報、故障時の工場への連絡、近辺の店舗案内、音声認識など様々なサービスが予定されている。』

テレマティクスとは|telematics - 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典

 

その技術を活用して、スマートフォンなど自動車に簡単に置ける端末のアプリケーションによって、「運転の状況を検知」できるようにするというわけです。

つまり、情報を受け取ったり、発信したりするだけでなく、『運転速度や急発進、急ブレーキ、ハンドリングなどの走行データを測定する機械で、スマホのアプリと連動させることで運転状況をチェック』することまでが可能になったということですね。

そうすれば、その運転者がどういう「傾向」で運転しているのかが分かるわけですから、「事故率」の予測がたてられるようになります。

安全運転を常にしている人であれば、事故率予測が低いことを理由に保険額が安価になるというのならば、そちらの保険で契約したいと考えるのは当然です。

 

さらにこのことは、安全運転を心がける「意識」を高め、事故の削減にも繋がっていくことが期待されています。

走行データが把握できるわけですから、運転中に、天候や事故多発地域の情報を自動的に配信することも可能です。

それだけでなく、安全運転をしたという「実績」に対して、商品券等を贈呈することや保険額が下がるという特典があれば、運転者に安全運転をしようという積極的な「意識」が高まります。実際に、損保ジャパン日本興亜では、ある法人において前年比約2割の事故件数減少が実現できたそうです。

 

実際に運用されているサービスはどういったものがあるのでしょうか。

 

トヨタにおいては以下のように構想も含めてサービスが紹介されています。

トヨタ | 次世代テレマティクス

 

日本ユニシスでは、無事故プログラムが提供されています。

テレマティクス型ドライブレコーダー「無事故プログラムDR」|日本ユニシス

 

車両管理や安全運転普及などのサービス技術が、保険業界にも波及していくという本記事は、非常に興味がわきました。

今後、さらにどのように拡大していくのか。そして、無事故のように人の生活を穏やかにしていく方向に進んでいくのか。いや、そうなって欲しいなと期待します。

 

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